日本には音楽なんて、溢れていない。
事件終結に向けて、奔走しております。
今回の件にかかりきりになって、吹奏楽はおろか食事も喉を通らないし、
テレビや新聞を広げる気にもなりません。
ところが、たまたま見つけたデパート内の広間の椅子に腰鰍ッていると、
周囲は大勢のおばちゃんだらけなのに気がつきました。
それでもボーっとしていると、男性歌手の歌声が。
韓流スターの歌手だったのですね。
別にその歌手にも歌のジャンルにも興味はなかったのですが、
聞いているおばちゃんたちの表情が、とても心に染みました。
そうだよな、歌手とか、藝術家とか、藝人ならばファンの人達は“自分を必要としてくれる”顔を向けてくれる。
私も吹奏楽の世界に、それなりに足をつっこんできてましたので、上の人達はそういう表情を向けられる人達だし、聞く人にそういう表情、気持ちを持たせることが出来る力があるわけだ。
しかし私の本業は、相手のそういった表情とは、カケラほども関係がない世界なわけで。
そんなことを思っていたら、好きでも何でもないはずの歌声まで心に染みるようになってきて。
吹奏楽の演奏の圧涛I多数は、大勢の人が集まって、会場を設えて、お客さんにわざわざ足を運んで貰う形式になっている。んでそういった演奏会の方が、公園コンサートよりも真剣にやっているわけで。
今の私みたいに音楽や“楽しみ”に足を運ぶ余裕の無い者にとって、吹奏楽は縁のない音楽だ。
一切興味のない韓流スターの街角演奏会の方が嬉しい存在なんだけど、これは偶然の出会い。
日本に音楽なんて、溢れてはいない。