ぽかぁんとしてしまうこと:Hatena版

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実は演奏家は謙虚であること

マンガとか映画とかで問題作が作られて、公表前に騒動が起きると大抵

「現物を見てないのに文句を言うなよ!」

という人があらわれます。

私は条件付で「現物を見てないのに文句を言う」ことに賛成であります。

作者や製作者が「売れたら勝ち」という態度をとっている場合です。

スキャンダルで売っている週刊誌なんか、内容がどんなに非難されたところで

「売れたら勝ち。それにおめーら、見たじゃん」

てな感じの発言して、まともに非難と向き合おうとしません。

そういう場合には「相手にしない」という態度が正解なんでしょうけど、私はこの手の輩に限っては「見ないで文句を言う」ことはアリだと思っています。

(ボクシングの亀田騒動の時、爆笑問題の太田が言ってました。小倉氏に面と向かって「ヅラですか?」って言った番組で亀田一家の手法に抗議している人たちに対して

「おまえら試合見たんだろ?」と)

じゃぁ一方で、現物を見てないのに“褒める”ってのは、どうなんでしょうね?

どんな場合にそういうことがあるかというと、食べ物を扱ったテレビ番組で、

腕のいい料理人が作った料理を目にして(口にする直前)

「これ、絶対美味いよ!」

というタレントがいるんですよ。

とはいっても一概にタレントが問題なのではなく、タレントが

「美味しそう!」

と言うと、

「美味し“そう”ってなんだよ!美味しいんだよ!」

と怒鳴る料理人がおりまして、そこから言い方を工夫して現在に至っているんでしょうけど、そういう強制に抗えない人は、現物を見てないのに文句を言う人を非難できるのか、言う人を非難していいのか疑問です。

もちろん料理はお話作りと比べると味の組み合わせ、科学の要素が大きいので、調理がしっかりしていれば味は決まったも同然だし、味覚の範囲は個人によって違うとはいえ後天的な要素、共通する幅は大きいから、議論すれば結構面白いんじゃないかと思うのですけどね。

となると音楽の科学的側面てのがほとんど議論されないのは、惜しいですな。

なんかベテラン演奏家がホールの湿度だのお客さんの層だので微妙に演奏法を変えるという話しをよく聞きますが、それなら料理人だってお客さんの顔を見て塩分を増やすとか、焼き加減(固さ)を微調整することだってあるわけですから、もっと現実的な自己認識をするようにしてほしいものです。

演奏家が変に謙虚なのは、アイデンティティが脆弱だからなんだろうか?