わりと有名な人が有名じゃなかった件
中村とうよう氏の割と有名な本がたまたま目にとまり、ページをめくってみたら、私が勝手に言っている「ブラスバンド呼称論争」についての重要な指摘があった。
と言っても、ラテンアメリカ音楽の、日欧で言うところの管楽アンサンブルの歴史なんだけど、磯田健一郎が火を付けた
「ブラスバンドとは本来金管楽器のみで編成されたバンドで、狭義では英国式金管バンドのことを言う」
って、これがまんまミスリードというか無知蒙昧な発言じゃん。
いや、吹奏楽史素人とか学生が言うのは仕方がない、ヨーロッパ中心の音楽史にラテンアメリカ音楽史の記述は載ってないことが多いもの、でも磯田はプロだろう。
私が磯田批判を始めたきっかけは、上記の発言について
「何故狭義の英国式?ヨーロッパ大陸式のブラスバンド、いわゆるファンファール・シンフォニーにはサキソフォンが入っているというし、ロシアに金管楽器隊は有ったのかなかったのか、新興国アメリカでは?」
と質問したら逃げたことから始まったんだけど、中村とうよう氏が指摘するに、その「新興国アメリカ」の音楽事情はヨーロッパだけではなくラテンアメリカからの影響も強く、ジャズ以外の音楽があったんじゃん。
中村とうよう氏がマイナーな存在で知る人ぞ知るって人なら「知らなかった」も仕方がないけど、有名人だしなぁ。
ところで、細川周平氏の「日本の券\100年」は吹奏楽史を学ぶために持ってなきゃいけないよなぁと雑誌「ミュージックマガジン」の掲載号を全て買って何年も経つけど、他のページに目を通したことがない。
自炊して、「日本の券\100年」だけスキャニングしたほうがいいのかな。
以前ミュージックマガジン編集の斉木小太郎氏(本返せ!)に単行本にまとめないのか質問したところ、
「細川先生、もうこの分野は若い者やってくれと言うようになっちゃって」
と単行本にならないみたいなこと言ってまして。
でも1989年4月号からだから、9+12かける4+5、合計62冊の裁断は嫌だなぁ。