苦み
昔ソムリエの人が書いた文章で、こんなのがありました。
ワインブームがくるまでワイン愛好家は、世間にもっと広めようとがんばったんだけど、どうしても赤ワインの渋みが障害となって広まらなかった。白ワインは「日本酒のちょっと変わったもの」のような、代用品のような感じで言葉にしていたのだけど(これも不本意だったけど)、赤ワインはそれすら駄目だった。
それでもなんとか試行錯誤をしていると、全く別の方向からブームが始まった。
「ャ潟tェノールは癌に効く」
(この文章を書いた人は、かなり愕然としたそうです)
「ワインは味だけで認められるべきじゃないか!」
(しかし、前向きにブームを受け止めます)
どうせブームなんて一過性のもので、いずれ廃れる。しかしその結果、赤ワインの渋みは世間に認められるだろう。その障害がクリア出来れば、いっか。
まぁソムリエとして味で認められたかったのに、健康の観点であっさりと認められたのですから、複雑な心境にはなったでしょう。
苦みといえば、ビールもわざわざホップを入れて苦みをつけてるんですよね。
CMで「ビールの苦みがわかれば、大人です」というのがあったそうです。
しかしこれを見て、「ビールの苦みがわかるのは、子供です」と言うべきだ、という投書があったそうです。
ビールの苦みが「わかる」のが大人なのか、ビールの「苦み」がわかるのが子供なのか、視点の違いでしょうな。
しかしワインにしろビールにしろ、好きな人は苦みが短所ではなく長所なんですよね。あ、コーヒーにも苦みと酸味が言われますね。
初心者には短所極まりない「苦み」は、慣れるに連れて長所になる。
なんでわざわざ初心者にもそんな複雑な物を、と考えてみたら、スメ[ツにもそういった傾向があります。サッカーはなぜキーパー以外手を使ってはいけないか、オフサイドのルールはなぜ出来たか。
単純に言えば、簡単に点が取れないようにするため、らしいのです。
簡単ではない所に魅力がある。
ワインにしろビールにしろコーヒーにしろ、低価格な物から高品質の物まで幅が広いですが、まぁ、基本は変わらない。
吹奏楽にはそういった、慣れると良く思える障害というか、癖ってどうでしょう?ありますでしょうか?
私の個人的な感想だと、ブリティッシュ・ブラスにはあるような気がしますが…。