海洋吹奏楽団
昭和十六年四月。
団長 武富邦茂
副団長 瀬戸口藤吉
楽長 早川弥左衛門
庶務会計主任兼楽長
宮下豊次
会計 橋下勝見
傭教師 A・ユンケル
(フルート)種子隆久、広山正留
(オーボエ)中津井実、小山光男
(Esクラリネット)柳田宏
(Bbクラリネット)丹野島児、酎コ金平、十河一夫、大沼学朗、岩西四郎、大越与四郎
(アルトサキソホン)岡崎定義、水谷重明
(テノールサキソホン)菊地荘二
(バスーン)藤井勇熊
(アルト)葛山大秀、田中啓吉、松永政雄、市川熊二郎
(テノールホーン)若本馨、中村将穂
(トロンボーン)井村鶴雄、鈴木繁夫、山本信太郎、大津三郎
(バス)小檜山次郎、野口正治、水島利夫、柴田止女男
(小太鼓)岸本吉正
(大太鼓)中野定吉
「吹奏楽専門団体として、海洋吹奏楽団が誕生した。団長は武富海軍少将、海軍軍楽隊の出身者のみによって編成された団体であるから、技倆は優秀、その上海防義会から、相当の予算を受けて経済的にも基礎は堅固である。
今までの専門団体として「星桜」や「大東京」などがあったが、これ等は他に職業を持つ者で、ラジオ放送を主とした団体で行動は不自由であったが、「海洋」はその点、立派な組織を持つ堂々たる専門団体である。
吹奏楽が今日ほど隆盛になっても、陸海軍を除いて、他に一つの専門団体が無かったことは、わずかわれらの不満とするところであったが、本年度において我々はそれを持つことのできたことをこの界の為め喜びとするものである。」